■天然染色と手織工程紹介


■天然染色に依る生地の仕立て

先ず、当ブランドでは、製品に依り、機械織生地又は手織生地の、いずれかを使用しています。

~主な織元~

現在はインドとカンボジアが主な織元となります。

インド TamilNadu州 カンボジア Takeo州

 

天然染色を行う場合は、

①カンボジアで天然染色に依る生地染めをし、製品に使用する最終生地を仕上げる。

②カンボジアで天然染色に依る糸染めをし、同地で手織をし、製品に使用する最終生地を仕上げる。

上記のいずれかの工程を踏みます。


■染色原料一部

我々はカンボジアの恵まれた環境を活かし、自然の原料にこだわった天然染料作り、天然染色を行っています。

 

天然染めには正攻法はあっても、自然が出すその色味は、同じ原料でも様々です。

これまで私たちは、私たちなりに工夫しながら知恵を絞り、天然染めを実践、追求し、向き合ってきました。

 

天然染めは本当に奥が深く、毎回創造力を掻き立てられます。

植物の種類も果てしなく、意外なところ、身近なところにも様々な色を出す植物があります。

 

染色の原料は化学染料を一切使用せず、主にカンボジアの植物から採れる葉や木などの天然資源にこだわっています。

染色に使用する植物は、約15種類。

天然の植物が故にそれぞれ個性があり、思いもよらない絶妙な色合いが生まれたりすることもあります。

 

例えば、乾燥させたマンゴーの葉は鮮やかなイエロー、インディアンアーモンドの葉はオリーブグリーン、クロモと呼ばれる植物を乾燥させた樹⽪は真っ⾚になります。

 

採取時期や場所、染⾊の⼯程で使⽤する媒染剤に依り、発⾊が変化するのが天然染料の楽しみでもあります。逆に、しっかりと厳選しないと色が出にくい場合もあり、経験と勘が大事になってきます。


■染料抽出と天然染色

染色原料を確保した後、染料抽出の準備へと入ります。

 

先ず、染料を沸かす際、極力環境負荷を減らす為、天然(リサイクル)の炭を使用します。染色用の釜に原料を入れ、たっぷりと水を注ぎ、煮立、染料を抽出します。抽出後、原料を取り除き、材料(生地又は糸)の染色を開始します。

 

熱帯⾬林気候のカンボジアは、年間を通して気温が⾼いです。⽩く⽴ち込める湯気のなか、根気のいる作業が続きます。窯で煮出した染料をこしとり、材料を浸していきます。気温や湿度、原料に依り異なりますが、⾊の定着には2〜6時間を要します。生地の場合はできる限り色ムラなく染め上がるよう、糸よりも長い時間をかけて染色していきます。又、⾊ムラが起きないよう材料を「遊ばせる」ように、ときにこまめに材料を撹拌しながら色付きを確認していきます。一度に多くの材料を浸けてしまうと色の定着が難しく、撹拌もしにくいため色ムラが起こります。そのため、染色は少量ずつの材料で行っていきます。

 

⾃然の⾊に染められた材料は丁寧に何度かすすぎ洗いをし、⾵通しの良い場所に⼲され、穏やかで優しい⾊を放ち始めます。その後、自然乾燥後にアイロンをかけ染色生地が完成します。染料や染料抽出後の原料は天然素材なので、使⽤後は⼟に返ります。それが堆肥(たいひ)となり、新たな染料の元になる植物を育てます。

 

天然素材が故にすべて自然に還すことができます。勿論、化学染料を使った場合、低コストで容易に作ることができますが、自然環境に与える影響は決して少なくはありません。時間と手間を惜しむこと無く、ここでも循環型生産サイクルを継承しています。 


■織り地

~機械織りの場合~

織り工房のビハール州のバーガルプル織り工場と提携。当工場はニューデリーに縫製工場も持つ、縫製と織りに強みを持つ提携先。ジャカードやドビー、サテン織り、相互に違う糸を経糸に張っていくWarpingProcessなど、様々な織り方が可能で、およそ1000m単位で織り上げています。セッティングにもかなりの時間をかけています。平織りは200m単位で織り上げています。通常織幅は114㎝幅(45")、Maxで213㎝(84")まで広げることが可能です。通常コストは生地の重さ(糸番手)によっても左右されます。現在は105"幅が可能な外注先と幅を広げていけるようチャレンジ中です。

~手織りの場合~

カンボジアタケオ州とカンダール州の織り職人さんに手織りしていただいております。

手織のプロセスを紹介します。

 

⽷は、⼿織り機へ向かう⼥性スタッフたちの⼿で、徐々に布へと織り上げられます。先ずは手織機へ縦糸を設置をするところから始め、同時に横糸の準備をします。

 

織物は縦糸に横糸を交差させて作るものです。出来上がる布の長さ・幅・密度は、準備した縦糸の長さと本数、及び横糸の密度によって決まります。一度、織り始めると、途中で縦糸を変更することが困難なため、予め入念な準備を要します。

 

縦糸設置後、横糸を手織用のシャトルにセットし、手織作業の開始です。手織は、手織機の足元にある2つのペダル(2つが一般的)を交互に踏むことで、縦糸は一本おきに交互に高低差が生まれます。その高低差の中を通るように、シャトルにスナップを効かせ投げ通し、横糸を通していきます。ペダルを踏み替え、縦糸の交互の上下を入れ替えます。

 

以上の作業を繰り返し、長い時間をかけ、一糸一糸手作業で丁寧に織っていきます。通常、一人が3,4メートル織るにも、一日の労働時間を要す場合もあり、長時間織り続ける技術と高い集中力を要する作業になります。

 

織り上がった天然素材の⽣地は、使い込むほどに柔らかさを増し、肌に馴染んでいきます。染色、手織まで、数多くのプロセスと日数を経て生地が完成され、その後、ようやく縫製に進みます。



糸の先染→手織の資料


番外編:

 

天然染めにも様々な種類と方法があります。

例えば、生葉染め、花弁染め、 ハーブ染め等、様々な染色手法があります。

 

例1.生葉染め(藍等)

タデ料の一年草、タデ藍。種まきしてから毎日水やりし大きく育つ植物です。藍の緑葉を水に浸して揉みながら生葉液を作り出し、染めたいものを浸していきます。タデアイ/マメ料のインド藍やアプラナ科のウォードは藍の成分を含んだ植物となります。生葉液の中は緑色ですが、媒染材となる空気中の酸素に触れると青くなります。

例2.花弁染め( ブルーベリー、 ラズベリー、ブーゲンビリア等)

花弁染めは、傷んだ花や、落ちてしまった花を使用します。染めたいものに十分な量の花弁、そして色素を抽出するための食酢を使用します。赤く染まる色素はアントシアン、食酢の酸の中で溶け出して色素を構成します。お洗濯はアルカリ性洗剤を避けて中性洗剤を使用し、色が薄くなってきたら、染め重ねることも愉しみの一つです。

 

例3.ハーブ染め(ラベンダー、カモミール、シナモン、ローズマリー等)

ティーバッグに入ったハーブ等でも染色ができます。ハーブはその染液のみでは色が定着しないときがあるので、色素を発色させるためにミョウバンなどの媒染剤を使用します。草木のほとんどは煮詰めて染めていきます。